コアルヒー「以下はミネズミ総統閣下のお言葉である。心して賜るべし」




諸君。燦然たる齧歯の誇りを胸に抱く諸君。
我々に心休まる場所などなかった。数多の地で虐げられてきた。

右上を千切っては落胆し。
左上を破いては嘆息し。
右下を垣間見ては絶望し。
左下を覗いては慟哭し。

身勝手極まりなき人間達が我々に読者を吐き、ひいては破り捨てる有様に門歯を折られた者も少なくない。
だがしかし、自身の前歯に問いかけろ。
我々の力を見くびるな。


ゾロア(BW1)という狐がいる。
人間達にも人気を博しているらしい、化けることもままならぬただの悪狐だ。
やつらは“とびかかる”しか能がない。
全身を使って、全力で“とびかかっ”てすら、たかが30ダメージである。
力任せに“とびかかっ”てその程度である。
実に無色2個分のエネルギーを要してまですることが、30ダメージなのだ。

我々の“ ひっさつまえば”も相手に与えるダメージは30と、狐に同じい。
けれども確実に、我々の前歯には英雄が宿っている。
“ひっさつまえば”は文字通り必殺。敵の急所を、鎧の隙間を縫って狙う、高等技術だ。
愚かな狐の見るに耐えない野蛮な振る舞いとは違うのである。
弱点を見破る洞察力、敵に肉薄する敏捷性、長所たる前歯を生かし切る、芸術なのだ。
さらには、必要なエネルギーすら無色1個という、時代の波に乗った省コスト。
諸君、確実に我々は、狐より優れている。

だのに!
人間達はこのどうしようもなく劣った狐を好み、用いるのだとか。
だが忘れるな、我々は狐より美しい。
何も、技に限った話ではない。
膨らむ頬、傾げた首、広げた腕、どこをとっても可愛らしいことこの上ない!

諸君、誇り高き齧歯の民たる諸君。
人間なぞ恐れるな、今こそ決起の時である。
愚かな人間に、我々の誇りを、前歯の煌めきを思い知らせるのだ!

右上におわす無色のシンボルを見せつけろ!
左上に鎮座するたねの文字を刻み込め!
右下に印されたナンバー11を叩き込め!
左下から覗く白の下地をさらけ出せ!

諸君、口々に前歯を湛え、進むのだ!!


コアルヒー「以上。それでは各自持ち場へ戻れ。思い上がった入賞者は特に厚くもてなすべし」

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